ニッコール簡単解説

中古ニッコールを買って失敗しない為の、ニッコールお作法教室(初歩編)です。
(別名:ニッコール・ダークサイドへの虎の穴)
/@冊@\コォ〜ハァ〜

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レンズタイプ別解説

〔 オート ニッコール 〕

表記例:NIKKOR.H.C AUTO 50mm F2

一眼レフ用レンズ群の最初のシリーズ。
マウント側から見ると、マウント面より絞り環が1mm程度飛び出している。
その為、AI対応機には物理的に装着不可である。
ただし、初期のAI機及びフラッグシップ機で可倒式連動レバー採用機は装着可能。
(露出計連動は出来ない。)
AI対応機が発売された後、AI機に装着できる様に、ニコンによるAI改造が行われていた。
現在では改造サービスは行われていない。

F値伝達はカニ爪による、手動設定又は半自動設定(通称:ガチャガチャ)。
カニ爪に穴は開いていない。

 左図を見てもらいたい。

 これはCobyがAI改造したものだが、マウント面と絞りリングに段差があるのが分かるだろう。
 マウント面より絞りリングが飛び出しているものが、AutoやNewである。
 これこそが旧型レンズが物理的に装着不可能な理由である。
 (後で紹介するが、マウントに付随した装置が干渉する。)

 後に紹介するAI以降のレンズは、リングがマウント面と同じ高さである。
 故に左図のように切削する事で装着可能となるのである。
 (但し、開放F値伝達を正しく行う為には、適切な位置を切削する必要がある。)

他の呼称:オールドニッコール、旧ニッコール、従来型ニッコール、非Aiニッコールなど


〔 ニュー ニッコール 〕

表記例:New Nikkor 50mm F2

オートニッコールのデザインを変更。ピントリングのゴムローレット化。
レンズ上にNewの表記は無い。

AI機への装着は、オートニッコール同様で基本的に不可。


〔 AI ニッコール 〕

表記例:Ai Nikkor 50mm F1.8

ニューニッコールをAI化。製品名称の表記はAiだが、機能名としてはAIが正しい(らしい)。

それまでの開放F値半自動設定(通称:ガチャガチャ)から、装着するだけで設定できる方式に変更(AI化)。
AI方式は、絞り環に切り欠きを付ける事でボディ側のAI連動レバーに引っ掛け連動させている。

<露出計連動ガイド>

 連動ガイド赤丸の切り欠きを連動レバー(下図)に引っ掛けて動かす。


 切り欠き位置は、開放F値によって異なる。
 (下のほうで各開放F値による違いを図解してます。)

<露出計連動レバー>

(左)よくある固定式連動レバー。           (中)可倒式連動レバー(AI連動時)         (右)可倒式連動レバーを倒した状態

<カニ爪について>
 AIでは、ファインダーから絞り環のF値を直読するため、
 爪で陰にならないように穴が開いている。

 実は・・・
 AI方式ではカニ爪は必要としない
 互換性のためだけである。


〔 AI−S ニッコール 〕

表記例:Ai Nikkor 50mm F1.8 S

AIニッコールを絞り自動制御に対応する為の変更。及びデザイン等の変更。

AIまでは各F値の間隔が不均等であった。シャッター速度優先露出やプログラム露出など絞りの
自動制御を行うには不都合であった。そのためF値の間隔を均一にした。
ピント環の回転角を小さくして、素早いピント合わせが出来るようになった。(ホントかよ?!)
外観が寸胴になった。(以前の凹凸があった方がセクシーだったぞ!)
その他、色々変更。

 (左)Ai Nikkor 200mm F4
 (右)Ai Nikkor 200mm F4S

 写真では分かりにくいかもしれないが、Ai-Sの方が寸胴である。

 Aiはピントリング回転させるとリングごと前進するが、
 Ai-Sはリングの前進がない。

他メーカーでの表記
カールツァイス:Planar T* 1.4/50 ZF
フォクトレンダー:ULTRON 40mm F2 SL


〔 AI−P ニッコール 〕

表記例:Ai Nikkor 45mm F2.8 P

AI−SにCPUを搭載。CPU(AIも可)連動タイプ。

他メーカーでの表記
カールツァイス:Planar T* 1.4/50 ZF.2
フォクトレンダー:ULTRON 40mm F2 SL II


〔 AF ニッコール 〕

表記例:Ai AF Nikkor 50mm F1.8 S

AI−SをAF化。
CPU搭載によりCPU連動に対応。AI連動も可。

AF機初期のモデルで、数は少ない。


〔 AF/Dタイプ ニッコール 〕

表記例:Ai AF Nikkor 50mm F1.8 D

AF/SタイプにD(距離)信号を追加。

AF初期の製品のピントリング(2〜3mm幅)が不評だったためか、途中から従来サイズに変更された。


〔 AiAF−S/Dタイプ ニッコール 〕

表記例:Ai AF-S Nikkor 300mm F4D IF-ED

AF/Dタイプに超音波モーターを内蔵したモデル。


〔 AF/Gタイプ ニッコール 〕

表記例:AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G

絞り環が無くボディからの制御のみ対応。

AF−SじゃなくAF。つまりボディ側のモーターによるAF駆動。
表記の最初にAiの文字が無いのは、AI対応じゃないから。
(絞り環が無いんだから対応しようがないのだが・・・)


〔 AF−S/Gタイプ ニッコール 〕

表記例:AF-S NIKKOR 50mm F/1.8G

超音波モーター内蔵レンズ。


〔 Eタイプ ニッコール 〕

表記例:PC-E NIKKOR 24mm F/3.5D ED
表記例:AF-S NIKKOR 800mm F/5.6E FL ED VR

電磁絞り採用モデル。
シリーズEのことではない。あれはニッコールではない。

以前はPC−Eニッコールのみだったので省略しようと思ったが、PCじゃないのが出てきた。


自分でAi改造仕様とする人のために 〜その1〜

切り欠きの位置
F1.4の場合、指標8の所
F2.0の場合、だいたい指標11の所(Ai-Sでは11より右ですね)
F2.8の場合、だいたい指標16の所(Ai-Sでは16より右ですね)
F4の場合、だいたい指標22の所(Ai-Sでは22より右ですね)

(参考)Ai-Sの切り欠き位置

(注意)
Ai-Sの切り欠き位置は参考までに掲載しただけです。
Ai-S以前のF値位置は間隔が不均等でAi-Sとは違います。


自分でAi改造仕様とする人のために 〜その2〜

上項で連動に必要な切り欠き位置は分かりました。では、どこまで切削すればいいか?
それは、装着時に連動レバーに干渉しない位置までです。

まず、絞りを開放にしてください。
レンズをカメラの装着位置までもっていき、連動レバーの干渉する位置をチェックしてください。
(左図の切削端bの所です。)







そこから前項で指定した箇所(左図の切削端a)までが切削する箇所となります。
(上図の赤文字&枠の所です。)






切削端a〜切削端bまでの幅1mmの範囲が切削範囲になります。
(マージンとして1.0mm〜1.3mm) その範囲を切削すれば簡易AI改造完了です。

切削方法としては、けっこう軟らかいので、棒ヤスリ(軽金属用)で十分です。
中目で削って細目で仕上げると良いでしょう。
勿論、グラインダー、リューター等の電動工具を使ってもOKです。

切削時には『絞りリング』を外すことをお勧めしますが、
外さなくても切削箇所以外をシッカリと紙やテープで保護すればOKです。

好きな言葉ではありませんが、自己責任で!お願いいたします。


AFとMFのマウントの違い

  
上図の(左)がMF機のマウントで(右)がAF機のマウントである。
ご覧のとおり、AF機の方がMF機より直径が1mm太くなっている。
これはAFカップリング用の穴が開いている事により、太くして強度を増す為ではないかと思われる。
もっと太くすれば?との意見もあろうが、そういう訳にはいかないのである。
絞りリングの内径が58mm(又は59mm)のせいである。
マージンを考えると精一杯の努力なのである。

ちなみに、
NIKKOR-N Auto 35mm F1.4 = 58mm
Ai Nikkor 50mm F1.8S = 58mm
Ai Nikkor 24mm F2S = 58mm
Makro Planar T* 2/100 ZF = 58mm
NIKKOR-S.C Auto 55mm F1.2 (Ai改造) =59mm
COLOR-HELIAR 75mm F2.5 SL = 59mm
MACRO 50mm F2.8 EX DG = 59mm
と58mmの製品と59mmの製品がある。

どちらにしても、マウントと絞りリングが干渉することは無い。(あくまでマウントそのものという意味では)
ただし、露出計連動レバー(正面から見て右上)や最小F値設定警告レバー(正面から見て左下)は干渉する。


AUTOとAi-Sのマウントの違い

  


(左からAuto、AI改造、Ai-S)
     


装着時の露出計連動ガイドと露出計連動レバー

  


Fマウント体系図

ニコン様サイトの体系図をテーブル化。
FマウントCPUAF非AI AF-S
超音波モーター内蔵
GタイプDXAF-S DX Nikkor 35mm F1.8G
FXAF-S NIKKOR 50mm F/1.8G
モーター非内蔵GタイプDXexp
FX
AI-Sモーター内蔵Dタイプ AF-S
超音波モーター
exp
AF-I
コアレスモーター
exp
モーター非内蔵DタイプAi AF Nikkor 50mm F1.8D
非Dタイプexp
MF非AIDタイプ電磁絞りexp
メカ的連動絞りexp
AI-SAI-PAi Nikkor 45mm F2.8P
非CPUAFF3AFAi AF Nikkor 80mm F2.8S
MFAIAIAI非SAi Nikkor 50mm F1.8
AI-SAI-SAi Nikkor 50mm F1.8S
シリーズEシリーズE 50mm F1.8
AI改造exp
非AINIKKOR-H.C AUTO 50mm F2

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間違いに気付いた時は、でご指摘くださいませ。
初版:13.10.12.
改訂:13.12.21.